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ホームダクティッドファンを損失の大きいプロペラと考える仮説(hot!R&D!2021~)
    
 私はこれまでダクティッドファンの推力とプロペラの推力は異なるものと考えて来ました。
流体の流れを考えると共通点はありましたが、どうしても両者を結びつける理学がなかったのです。
(工学的には、プロペラが推進すると効率が上がりますがダクティッドファンはシュラウドが抗力となり効率は下がります。)
しかしながら、エンベロープ(包絡流線)というキーワードから、プロペラエンベロープは
プロペラが流体と衝突して推力を発生した際に発生する損失によってエンベロープが窄まらない事が
複数の専門書を読み、解って来ました。損失が無く100%の効率では流体が加速される事により窄まるのですが、
窄まらないエンベロープはダクティッドファンのエンベロープのように見えます。これが今回の仮説のポイントです。
この前例のない仮説を基に、窄まらないエンベロープのダクティッドファンの推力を理論的に自力で求めてみました。 
誘導速度の増速⊿V極限問題(⊿V≒0)もあり困難でしたが、専門家による運動量理論から確立されているプロペラ推力と静止状態を比較してみます。
(実用的には、トラクター方式が理想的であることが前提です。)

推力理論



ダクティッドファン流速の推力馬力や動圧、電力から求まりますが、プロペラの運動量理論からも近似式が導かれ、不明な質量流量加速度を無視して同じになります。
(※ダクティッドファンの推力をFM=100%として正規化する事が可能で、実験値とも一致する。)
しかしながらこの式は、静止状態で理想気体の捻じれ渦や圧縮のない理論式なので、ダクティッドファンの静翼と回復効果が考慮されず不明のままです。

連続の式を成立させる静翼効果(渦の解消と回復効果は不明)。 理論式は重要!ダクティッドファンの損失はどこに?

実用的に効率がどの程度で安定的に働くのか実在気体での見積りを必要とし、未知な部分を含んだ仮説です。
実測実験値との比較で研究を進め、単純モデル化による検証とそれらの意味合いを考えて行きたいと思います。
(プロペラとの関係でダクティッドファンの損失エネルギーはどこへ行くのか不明・・・等)

■誘導速度の極限⊿V=0の時でも推力を発生する原理があるなら、それは渦損を伴う新しい推力理論になるかも知れません。
因みに、プロペラの流線が外向きの加速度を受けて曲率を持つと渦の遠心力が自然発生すると考えています。
理想的なプロペラは損失がなく渦損が無いが、ダクテッドファンが損失の大きいプロペラだとすると渦損が発生する筈である。
実際の空気で理想最適な流れを考えると筒を抜ける空気は渦損を伴うと考えられます。(実際の流体問題として、筒を抜ける渦のなぜ?)

・・・さて、その前に興味深い記事の案件がありましたのでご紹介致します。

■ラジコン技術2015年10月号で紹介された ”間違えた理論”

106、107pのコラム2「役に立つEDFの理論」

執筆者のNI氏へ連絡を試みましたが、昨年にお亡くなりになったとの事で非常に残念です、ご冥福をお祈り申し上げます。
この件は、有識者と議論して間違えている事が決定的となっています。正しい理論式を導く事は物理現象を説明する上で重要です。
本文ではなぜか1秒間の等加速度と考えており、不連続でトランジェントな過渡流速を想定していない理論式となっています。
(m=ρQは連続の流速で成立するが、不連続な過渡流速では質量として実体もない不定量が吸入で加速される計算になっている。)
この間違えた理論(4)式では、カルマン博士と運動量理論のプロペラよりも大きな値(1.26倍)となる誤りとなっています。
(パワー効率では、まさかのM=141%となり物理法則を越えます。)

(4)式:(1.0πρ)^(1/3)(MPD)^(2/3)
プロペラ:(0.5πρ)^(1/3)(MPD)^(2/3)

文中の運動量変化による計算、(3)式ですと質量流量は等加速度という根拠なき前提のようで、更に
m=ρQが ゼロからVまで推力方向と無関係に等加速度という場合の電力と推力はかなり大きくなってしまいます。
また力積計算からは F=ρSV^2 という1秒間平均の推力(間違え)計算される事になります。
現実に求めなければならない静止推力Fは、不明な過渡流速を等加速度とする(誤り)ではなく、動圧の反作用やF*Vから計算される定常流速のFです。
(プロペラの運動量理論においても、不連続な吸入の質量流量加速度は不問の静止推力となっています。)
また(4)式の間違えは、恣意的で適当な補正係数を効率にかければ正当化できるという大きな問題も含んでいます。

動圧と反力

※この図解はイメージです。運動量理論の定理からはプロペラブレード損失を全て旋回流の渦損に置換して計算すると、これと同じになると予想されています。
※動圧の反力と連続な質量流量、tdによる不連続で不定な力は同時に起こらないと考えて増速または増圧作用いづれかで計算できる。
(誘導速度が加速せず減速してゼロになる物理的想定では、見かけ上の障壁が渦を伴なって存在すると考えられる。)
※tdの影響が無いようなインペラを入力から遠ざけたイメージモデル(td=∞)では、入力とインペラの距離が近いとtdの影響が出てしまうので
 これを物理実験する場合は注意する必要がある。(標準的大気で気圧の雰囲気が均一という条件も重要)

推力理論エラー

  効率等の条件が全て同じ場合は上記のようになりますが、グラフにするとダクティッドファンは損失が大きいプロペラに見えます。
(4)式も窄まらないエンベロープから求めたダクティッドファンの理論式ですが、エンベロープが窄まるプロペラより大きな値になる事は
エネルギー理論的にもありえない現象です。(FMを換算すると1.0を越え1.41・・・?おかしいです。)
これらは重要な物理関係ですが、現在のところ専門書を複数見ても説明が付かないですが、実験で確かめる事は出来そうです。 
(EDFの定義が必要となるでしょう、私は新しいアプローチに挑戦しています。EDFの理論方程式が完成すれば世界が変わるでしょう。)
しかしながら、実験では損失の少ない優れたダクティッドファンが損失の大きいプロペラよりも高い推力で優れたg/Wを示す事があります。

私の実験の例
3.6インチ以下の実験でプロペラはRe数が低く効率も悪いですが、高性能ダクティッドファンのインペラはRe数が高く効率も良いです。
有名な研究開発法人の論文に、”実験では(ダクティッドファンはプロペラより)1.4 倍の推力を発生させる事が出来る”という信じ難い記述もあります。
(実験はRe数の悪影響を受けている可能性あり)

ここで、非常に興味深いデータを紹介致します。運動量理論のプロペラ推力理論とその実測値(低Re数領域)の比較です。
実測値は、理論値の約0.63倍となっていて、理論的なダクティッドファン静止推力がプロペラ静止推力に近似しているという事です。
( ”静止推力効率” と表現された古い理論があり、ローター効率とダクテッドファン効率に限界値の相関があると考えられる。)

汎用廉価なプロペラはダクティッドファンに劣るか? (・・・工事中)

なぜこのようになるのか、それは低Re数領域のプロペラ損失をダクティッドファンの技術で補填できる可能性があり、
ダクティッドファンがプロペラ性能を上げるヒントを与えるし、ダクティッドファンの性能限界を探る上でも重要な観点になると思いますが、
Re数の影響があるのに、”空気の粘性圧縮性を無視して空気密度を不変定数として計算しても実測値と良く一致するという現象”はとても不思議です。 
空気密度を不変定数として計算できる事をして、新しい推力理論を考える事ができるかも知れません。
(母体となっているヘリブレードの理論は空気の圧縮や粘性を無視した専門的学説で、流量質量ρQ一定条件から完成している点に注目。)


新しい推力理論で空気のRe数の影響や粘性圧縮性の影響を定量化し改善できれば、小型ドローンの性能を劇的に向上できる可能性があります。
ダクティッドファンにおいてトラクター式の優位は高Re数領域であるが、プロペラも同様に考える事ができる。
(・・・小型ドローンの開発は、空飛ぶ車やマーズドローンなどへの応用技術が期待されます。) 
また、推進器ではない軸流ファン(冷却ファン)の技術分野もダクティッドファンと同じです。
軸流ファンの効率計算と、ダクテッドファンの性能指標(フィギュアオブメリット)は同じになると考えられ、
産業界多方面での応用が期待されます。(※軸流ファンの効率計算からもダクテッドファンの方程式を導く事が可能と考えています。)
軸流ファンとダクテッドファンの方程式
 

◆特殊ナセルの古いダクトファン理論のご紹介。(海洋分野の低Re数コルトノズルに類似した半世紀放置の理学的で不思議な特殊理論)
修正駄論。
1972年の著名な「飛行機設計論」にある古いダクトファンと特殊ナセルは空気取入れ口が排出口に比べて広い、ハの字型の断面をしています。
このようにしてさらに円筒壁面の断面形状(翼形)を工夫するとナセル自体(シュラウド)が進行方向側に揚力を生み出す可能性があるが、
参考概念図でもお解りのように ”絞り”との相乗効果を無視できません。
 インテークリップを細工して揚力が推力になる可能性は机上の理学的理想流体にあります、しかしながら工学実験(静止状態の実際の流体)
でそれを認知する事はないと思います。


◆空気力学的なダクテッドファンの最大効率は渦を伴うか?(筒を抜ける流体が最大効率となる代数解析の予想問題。)
ダクテッドファンは効率の悪いプロペラという仮説において・・・
ダクテッドファンが理想的プロペラの効率に向かう事は、実験経験的であっても「渦を伴う流れが最大効率」となっている可能性を否定できません。
果たして、理想空気ではない実際の空気力学的なダクテッドファンの最大効率は渦を伴うのだろうか?
 2^0 
旋回流のような渦螺旋が強制ではなく自然に起きる場合に、吸入(入力)の効率が上がって流量が増える事で
静止推力が上がるという空気力学の仮説から「ダクテッドファンの最大効率は渦による損失を伴う」という結論を
代数的に導く事はかなり困難と思われるが解決の糸口はあるように思います。 (流体が理想的個体粒のように滞りなく落下する訳なく、損失を伴うという 予想)

◆フェネストロン(ダクテッドファンテールローター)の重要な特性について。
***
ネット情報を調べた限りですが、フェネストロンがダクテッドファンに分類されています。
現在のフェネストロンはダクテッドファン同様に、囲いのない従来ローター式よりも効率が悪いですが採用のメリットは大きいようです。
ダクティッドファンは、理論的に充分解っていない所が多いので、私の長年の研究テーマとなっております。
フェネストロンの失速疑惑があるそうですが、フェネストロンの失速(?)は、ヘリコプターのヨー制御を狂わせる重要な不具合現象です。
フェネストロンのブレード枚数が多いのは、ローター効率が高いと推察されますが、高効率ローターは理論よりも高い揚力を発生するので
最大揚力の帯域を外れると、急激に推力を失います。失速ではなく、効率が下がるという現象を明らかにすべきと考えていますので
フェネストロンへの応用や多発化のメリットも期待されます。
私の感覚では、ダクテッドファンでもなくプロペラでもないその中間のような新技術です。
私の予想で正しいなら、オスプレーの最新ローターはウイングレットのようなものが追加されると思います。
(私が2012-2013年に大学で発表した技術理論を現在2021年でその解析に役立てています。)

◆転移揚力効果(Translational Lift Effect)について。
 理論式の概要・・・(工事中)
 ダクティッドファンが推進中に、筒のないローターブレードの特性に近くなり”外部パワーを得る”連続現象について、
その力積計算がプロペラブレード静止推力の1.26倍になる事は転移揚力に関わる可能性があります。
プロペラブレードもダクティッドファンのような流線となる推進中は、静止推力よりも1.26倍となる事が考えられるからです。
転移揚力効果はホバリングの静止推力よりも20-30%の推力が増加する事が知られています。
推進またはホバリング中の風によっても”外部からパワーの利得を得て”増幅している可能性があります。
逆に利得を得ている時にそれが無くなると失速したようになると思いますが、 ボルテックスリングステートの不具合はそのような現象なのかも知れません。
静止推力における吹き降ろしのエネルギーを回収すると同様に1.26倍(パワーは+41%)になる可能性もありますので、
その場合は、吹き降ろしの廃棄エネルギーは約30%と推察され、排気をフィードバックするなどの回収手段が色々と考えられると思います。

◆二重反転方式について。
 プロペラブレードは質量流量を後に送って加速しているだけのようではあるが、プロペラブレードの前の加速も重要で流入の曲率と排気の流線
 が流量増大と静止推力の向上のポイントに関わっています。
 後流、旋回流はロスそのものであり、なるべくロスのない遅い噴流速度が効率を高くするので、難しい計算をしなくても大きな直径のプロペラが有利と解ります。
 この基本を踏まえて二重反転プロペラは優れているのかという事になりますが、機械的制限や設計の目的によって手段が変わって来る事を考えると
 この技術を単純に評価する事は困難です。

◆パルス発振の推進効率について。
 なぜこれまで謎とされて来たのか?・・・噴流パルスと羽根車の実験的考察(工事中)
 理論的に高効率とは、同じサイズ直径のダクトやプロペラと比べて高効率という意味になると思いますが
 パルスジェット推進は総合効率で優れていないとこれまで言われていました。
 理論的に高効率、となる可能性は不明であっても、理想空気ではなく、
 実在空気という条件と、ごく短時間周期の発振条件で加速は近似的に一定となる、とした現実的条件の下で ”撃力的に高効率”
 となる可能性はあるのではないかと思います。プロペラ運動量理論によれば、入力の質量流量の加速度は不問です。
 ところがダクトの様々な入力加速度をシミュレーションすると、プロペラよりも推力性能(gf/P)が高くなる場合が想定される事が解りました。
 瞬時なら近似的に加速度一定と考えられるので単位時間に発振させるパルスとすれば高い推力性能を期待できる。(見かけ上の高密度ρと等価)
 周波数による流体密度制御、これがパルス推進の推進理論になるのではないかと思います。
 (ダイラタンシーのような周波数特性は、実在気体のステップ応答かも知れないという謎があり非常に面白い。)
 間欠噴流は ”噴流の廃棄頻度”を少なくするという直観的にも有効だと思います。   

◆ガウス加速器から推力理論へ。
 ・・・(工事中)
CAFS方式の原理と応用は推力理論と関係しています。質量流量の衝突的な反発力を説明できる可能性があります。
静止推力効率はパワー効率(FM)の事ですが、これを理解する事で損失と改善、効率を上げる事が可能になるでしょう。
  プロペラの推進効率の一般論で、誘導速度や流入流出係数の説明が無いものがあり理解に苦しい問題を認知しています。
この問題も業界に問う準備をしなければならないと思います。

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